東京大都市圏では,発展する都心と高齢化の進展にともなう空き家の増加や居住環境の悪化に直面する郊外との間で格差が拡大している。同様に,富裕層の居住地と化す都心と貧困の集積する郊外との分断は、北米都市の多くで報告されている実態である。本研究は、こうした大都市圏内の格差拡大に関して,各地の取り組みを調査し,日本に援用可能な仕組みを導くことを目的にフィールドワークと比較研究とを蓄積した。その成果は,学術論文,書籍,市民講座などを通じて幅広く公開した。また,これらの成果を評価して,令和3年度文部科学大臣表彰若手科学者賞,国際地理学連合(IGU)Early-Career Award 2022を授与された。
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