研究課題/領域番号 |
18K12582
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
高橋 昂輝 香川大学, 経済学部, 准教授 (40806345)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 場所 / 政治と空間 / エスニック票 / 同胞票 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,市議会議員選挙に焦点を当てることにより,カナダ・トロント市における近年の都市変容が移民地区に与える影響を明らかにすることである。国勢調査データの地図化,現地調査による聞き取り・資料収集などの手法により,移民地区の変容過程とエスニックコミュニティへの影響に政治的側面からアプローチする。本研究は,社会地理学,政治地理学,都市研究,北米地域研究などの分野に新たな視角を提供し,貢献するものである。 2016年の国勢調査によれば,トロント市の総人口はカナダ国内で最多の約270万を数え,そのうち約50%を国外出生者が占めた。この割合は,ニューヨーク市,シカゴ市などのそれを凌ぎ,北米の大都市で最も高い。また,トロント市には,200以上のエスニック集団の構成員が居住するとされる。すなわち,トロント市は北米を代表する多文化都市であり,都市と移民を論じるにあたり,格好の調査対象地域である。本研究では,市内において空間的な集積が最も顕著なエスニック集団の1つとされてきた,ポルトガル系コミュニティを取り上げる。 本年度は,COVID-19の世界的流行を受け,フィールドワークを実施することができなかった。このため,これまでに行ったフィールドワークで得られた資料,国勢調査のデータなどをもとに論文の執筆につとめた。2編の論文を作成し,査読付き学術雑誌に投稿した。現在,いずれの論文も査読者による審査を受けている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
市議会議員選挙への州首相の介入という当初予定していなかった事象の発生,およびCOVID-19のパンデミックによって当初予定していたフィールドワークを実施できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
本年度において2編の論文を執筆し,査読付き学術雑誌に投稿することができた。延長後の最終年度にあたる次年度においては,可能な範囲で追加の図書や資料を収集しつつ,査読者からのコメントに対応し,論文の学術雑誌への掲載を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19のパンデミックにより,フィールドワークを実施することができなかったため,次年度使用額が生じた。次年度において,資料の購入費用などとして使用する。
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