本研究では東海地方の5流域(木曽三川・天竜川・豊川・矢作川・富士川)を対象に、水陸交通に関する歴史GISデータベースを構築し、時空間分析をするために、資料収集や現地調査を実施した。従来の研究では、1つの河川やいくつかの船着場の集落を対象とした検討が多く、流域という視点で捉えたものは少ない。また、流域全体を見ることで、水陸交通の地域的変化や地域差を明らかにすることができる。こうした研究成果を歴史GISデータベースとして構築することで、他の研究者も利用でき、データ自体を後世に残すことも可能である。さらには、他の地域との比較検討も容易となり、地域の独自性や地域資源の発掘にも利用することもできる。
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