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2022 年度 実績報告書

メラネシア・フィジーにおける儀礼と環境ディスコースに関する人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K12593
研究機関東京農工大学

研究代表者

浅井 優一  東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (80726860)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワードフィジー / 環境人類学 / 自然と文化 / キリスト教 / ペンテコステ系 / 儀礼言語
研究実績の概要

本研究は、フィジー諸島にある南太平洋大学の Institute of Applied Science(IAS)が、ダワサム地域において実施した沿岸資源保護活動 Fiji Locally Managed Marine Area(FLMMA) に着目した。特に、ダワサム地域住民が IAS が提案した当該活動の導入に合意した背景に、ヴィティレヴ島東部のナウソリ市周辺に活動拠点をもつペンテコステ系キリスト教団体 Covenant Evangelical Church of Fiji が、当該地域の一村落であるナタレイラ村で、フィジー土着とされる種々の儀礼用具を民家から没収・焼却した後、その焼却地に十字架を立てる「土地浄化儀礼(Healing the Land Process)」を実施したことがあった点を明らかにした。すなわち、本研究は、ダワサム地域における FLMMA は、当該地域の儀礼的秩序が新興の教団が実施した土地浄化儀礼によって破壊されたという理解が拡がり、その秩序を再形成する鋳型として受容・実践されたことを、活動参加者へのインタビューデータの分析などを通じて詳らかにすることを通して、自然環境の保護・保全に関する活動が、個々のコミュニティにおいては多様な価値付けを伴って受容・実践されること、自然環境が在地の価値体系の中で理解される文化的概念であること、したがって、「効果的」であるといえる資源保護活動の実施をする上では、それを実践する当該コミュニティにおける社会文化的背景についての考察が重要であること、以上について明らかにした。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2022 その他

すべて 国際共同研究 (3件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] University of Cagliari(イタリア)

    • 国名
      イタリア
    • 外国機関名
      University of Cagliari
  • [国際共同研究] Sikkim University(インド)

    • 国名
      インド
    • 外国機関名
      Sikkim University
  • [国際共同研究] Harvard University(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Harvard University
  • [学会発表] From Textual to Ritual: Semiotics on the Stranger-King in Contemporary Fiji2022

    • 著者名/発表者名
      Yuichi Asai
    • 学会等名
      WORKSHOP ON SEMIOTICS RESEARCH
    • 国際学会
  • [図書] 翻訳とはなにか:記号論と翻訳論の地平―あるいは、世界を多様化する変換過程について2022

    • 著者名/発表者名
      小山亘・浅井優一
    • 総ページ数
      576
    • 出版者
      三元社
    • ISBN
      978-4-88303-553-3
  • [図書] 「分人性のポエティクス:書記された彼岸から今ここの儀礼へ」『ポエティクスの新展開:プルリモーダルな実践の詩的解釈に向けて』2022

    • 著者名/発表者名
      浅井優一
    • 総ページ数
      312
    • 出版者
      ひつじ書房
    • ISBN
      978-4823411441
  • [備考] Yuichi Asai

    • URL

      https://www.yuichiasai.com/

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公開日: 2023-12-25  

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