「アーカイブと共同体の文化人類学的研究」においては、実際に人びとが資料とともに語ったり、資料を寄贈したり選別したりといった動態的なプロセスの中で現れてくるユダヤ共同体の史観やアイデンティティについて考察することができた。本研究前期にはイスラエル、後期にはオーストラリアで現地調査を行った。イスラエルにおいては、博物館や記念日を通じた公的な記憶の場の表れについて研究した。他方、移住からの歴史が浅い共同体であるオーストラリアにおいては、共同体の形成過程でどのように博物館や教育が歴史を構築していくかを考察することができた。以上の成果は、シンポジウム、著書、論文として公表された。
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