研究課題/領域番号 |
18K12597
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
山口 亮太 静岡県立大学, 国際関係学部, 特別研究員 (80783422)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | アフリカ / 熱帯林 / 人類学 / 妖術 / ヒトと動物 |
研究実績の概要 |
世界的な新型コロナウイルス感染症の流行により、2020年度に計画していたアフリカでのフィールドワークを実施することはかなわなかったため研究費の一部を繰り越したが、21年度も引き続きウイルス禍は収束を見ず、フィールドワークを実施することができなかった。そのため、これまでに得られた研究成果の公表に努めた。カメルーンでの調査の成果については、科研費研究成果公開促進費(課題番号:21HP5101)の助成を受けて、単著本「妖術と共にあること:カメルーンの農耕民バクウェレの民族誌」として明石書店から出版した。本書は、報告者が2008年より調査をおこなってきたカメルーンの農耕民バクウェレの妖術についての研究成果をまとめたものである。本研究課題と密接な繋がりがあるのは、第6章「ヒトと動物の連環」である。本章では、バクウェレの人びとと動物の関係を理解するためには、彼らの妖術への理解が欠かせないこと、そして妖術の作用により、森の野生動物が人間性を備えたヒトであると見なされることを指摘した。 コンゴでの調査に関しては、これまでに得られたデータから、一般向けに農耕民ボンガンドのジェンダーに関するエッセイを発表した。ボンガンドの住む地域で何らかの開発実践を企図するのであれば、男女の分業は避けて通ることができず、重要な問題である。また、ボンガンドの生業とその歴史的な変遷についての総説的な論文を英語で執筆中である。これは、
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
カメルーンでの調査については単著本を出版することができたため、フィールドワークはかなわなかったものの、概ね順調にすすんでいる。コンゴでの調査については、追加でのフィールドワークを必要とする部分が多く、コロナウィルス禍により海外渡航調査を実施することが難しい現状では、研究計画から遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度から引き続き、これまでに得られたデータの整理と公表に努めつつ、海外渡航調査が可能になれば追加の調査をおこなう。
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次年度使用額が生じた理由 |
世界的な新型コロナウィルス感染症の流行により予定していた海外でのフィールド調査を実施することができなかったため。次年度は、海外渡航が可能となった時点で、コンゴ民主共和国、もしくはカメルーン共和国でのフィールド調査をおこなう予定である。
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