研究課題/領域番号 |
18K12597
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
山口 亮太 金沢大学, 人文学系, 講師 (80783422)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 人と動物の関係 / 妖術 / 呪術 / 熱帯林 / アフリカ |
研究実績の概要 |
2023年度は研究代表者の異動があったため、当初予定していたカメルーンでの調査を実施することができなかった。コンゴ民主共和国での研究では、昨年度に執筆したルオー学術保護区での地域住民ボンガンドの森林資源利用に関するレビュー論文が出版された。ベルギー植民地時代の1930年代、独立後の1970年代、80年代、内戦後の2000年代と2010年代に出版された人類学的著作を手がかりに、およそ90年の間に主な狩猟法が大規模なネットハンティングから弓矢を用いた追い込み猟、そしてはね罠猟へと変遷してきていることを明らかにした。狩猟法の変遷は対象となる動物の変遷と並行していると考えられ、植民地期に実施された定住化政策の影響により、集落周辺の大型野生動物が減少していることが示唆された。 現在では廃れてしまった集団猟(ネットハンティング、弓矢を使った追い込み猟)は、武田(1984)によると呪術的知識を持ったカンガ(nkanga)によって主導されるものであり、彼らは祖先霊/森の霊ボリモ(bolimo)の祭祀にも通じている。ボンガンドの動物観を考えるうえで、このカンガとボリモを加えた三者の関係を考慮する必要があることがわかった。 また、一般向けのアウトリーチ活動として、理事を務めるNPO法人アフリック・アフリカの会報に巻頭言を寄稿した。さらに、依頼を受けて一般書でボンガンドの生業について紹介する記事を執筆した。この記事が掲載される書籍は24年度中に出版予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
23年度は、代表者の異動があったため、当初予定していたカメルーンでの調査を実施することができなかった。そのため、再度延長をおこなって24年度に調査を実施することとした。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、カメルーンでの調査を実施したい。カメルーン東南部の国立公園周辺村落での保全活動と村落支援プロジェクトについて調査する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度途中に現職への採用が決まったため、当初予定していたアフリカでのフィールド調査を実施することが困難となったため。
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