研究課題/領域番号 |
18K12601
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
橋本 栄莉 立教大学, 文学部, 准教授 (00774770)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 難民 / 民族 / ジェンダー / アフリカ |
研究実績の概要 |
令和2年度においては、本研究計画申請書のⅠの2.に記載されている南スーダン紛争後社会における「諸精霊・神観念の相互作用:トランス・ローカリティと歴史性」とかかわる文献研究および、Ⅱ「ヌエル人難民の紛争・歴史経験と予言の相互生成過程」とかかわる文献研究と論文執筆を行った。具体的な研究活動は以下の通りである。 令和2年度4月から10月にかけては、これまでの南スーダン、ウガンダでの現地調査によって得たデータに基づき、論文執筆と学会発表を行った。特に研究計画のⅡとかかわる内容として、南スーダンの歴史において生成されてきた「民族」の在り方と、現代の「民族紛争」と呼べる状況下において、いかに紛争を生きる人々が実体・虚構としての「民族」として生きているのかを描いた論文を執筆した。この論文は論集『地域研究へのアプローチ』(児玉谷史朗監修、ミネルヴァ書房、2021年)に収録された。また、同じくⅡとかかわる内容として、ウガンダの難民社会に生きるヌエル人若者男性の瘢痕と「男らしさ」をめぐる葛藤やジレンマについて、立教大学史学会の研究大会において発表を行った。 令和2年度11月から3月にかけては、立教大学史学会で発表した内容を投稿論文にまとめた。この論文は、論集“Contemporary Gender and Sexuality in Africa: African-Japanese Anthropological Approach”(Langaa RPCIG、2021年刊行予定)に収録される予定である。また、Ⅰの2.とかかわる内容について、文献資料の収集と整理分析を行い、論文執筆に向けての準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの流行により、予定していたイギリスやスーダンでの文書館調査と、ウガンダやオーストラリアにおける難民定住区における現地調査を行うことが難しくなったため。
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今後の研究の推進方策 |
今後も引き続き海外渡航が難しい場合には、国内で文献資料の収集およびこれまでの現地調査で得た資料の整理・分析を行う。また可能な限りインターネットによる情報収集に努め、オンライン上での調査も検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの流行により、予定していたウガンダ、イギリス、オーストラリア等での海外調査の延期を余儀なくされたため。今後もこの状況が継続するであろうことを踏まえ、次年度では、これまでの研究によって得られた知見を成果物を作成・刊行するための資金として助成金を使用する予定である。
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