研究課題/領域番号 |
18K12602
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研究機関 | 皇學館大学 |
研究代表者 |
瓜田 理子 皇學館大学, 現代日本社会学部, 准教授 (20812712)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 神楽秘曲 / 大礼 / 神宮式年遷宮 / 日・イスラエル外交関係樹立70周年 / 神道儀礼 |
研究実績の概要 |
本年度(2022)は、(1)海外における研究成果発表、(2)国内における国際的学術交流の2点を中心に行なった。(1)については、コロナ禍のために行えなかった海外渡航がようやく実現し、イスラエルのヘブライ大学にて、英語でゲストレクチャーを行った。内容は、天皇即位儀礼と神宮式年遷宮に祭儀体系の共通性・一体性が存在すること、それを神楽秘曲が明示していることを、令和の大礼と平成25年の神宮式年遷宮の実地調査と文献資料のデータに基づいて論じた。2022年は、日本とイスラエルの外交関係樹立70周年にあたる。そこで、外務省の「日・イスラエル外交関係樹立70周年事業」として認定を得て、同大学で、研究協力者の神職と、奉祝儀礼を行った。(2)については、令和4年度「日英のパフォーマンス、メモリー、文化的な遺産」の日英共同プロジェクトとして、ワークショップを2つ実施した。1つめは、皇學館大学記念講堂にて、イギリスのケント大学の研究者等に、神宮式年遷宮と神楽秘曲について英語で講和を行った。2つめは、ファシリテーター兼通訳として、神職と祝詞のワークショップと神道儀礼のデモンストレーションを行った。ケント大学の研究者等は、儀礼の見学だけでなく、実際に祝詞を奏上する体験もした。本年度の研究活動の特徴は、学術的な研究発表に加えて、民族音楽学者のもう1つの役割である、海外に向けた文化発信活動も国内外でできたことである。特に後者に関しては、対面での国際的学術交流が、コロナ禍のため中断していたからか、「日本文化の体験型学び」が海外のアカデミアで求められていることを実感した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
過去3年間中断していた海外における研究成果発表がようやく実現できた。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、研究成果を引き続き海外で発表する。具体的には、ルーマニアのブカレストに所在する“Dimitrie Cantemir” Christian Universityにて、研究協力者の神職と、“Sounds of Shinto Rituals: the Vicennial Renewal of Ise Grand Shrine during the Meiji Era”のレクチャーデモンストレーションを実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で、3年間海外渡航を中断せざるを得なかったため、次年度使用額が生じた。次年度では、ルーマニアをはじめ、海外で研究成果発表を実施するために使用する。
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