研究課題/領域番号 |
18K12609
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研究機関 | 追手門学院大学 |
研究代表者 |
中川 加奈子 追手門学院大学, 社会学部, 准教授 (80782002)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 肉食文化 / 南アジア / 文化人類学 / 移民コミュニティ / カースト / ネットワーク / 不浄観 / ハラール |
研究実績の概要 |
本研究は、グローバル市場への包摂が急速にすすむ南アジア系社会おいて、仏教やヒンドゥー教、イスラム教など、宗教や民族、及びカーストに強く規定されると見なされがちであった食肉をめぐる価値規範を比較民族誌論的に再考するものである。本研究を基研究として、「国際共同研究加速基金( 国際強化研究A)」に採択され、本年度9月から3月にかけてオックスフォード大学人類学博物館民族誌学部で研究を実施した。 本研究は、大きく3点の目的を持つ。第一に食肉のグローバル市場への取り込みが進む中で、カーストやエスニシティ、宗教コミュニティなど従来食肉を主に儀礼において扱ってきた組織はどのような変貌を遂げるか、第二にこれまでネパールやインドにおけるフィールドワークを通して蓄積した民族誌的記録と、大英図書館やオックスフォード大に所蔵されている歴史的文書を接合し、理論的視座を確立すること、第三にイギリスにおけるネパール人移民コミュニティにおける食文化の外観を掴む調査に着手することである。 期間中の成果として、主に第一の目的に関連して英文(近刊)及び和文(中川加奈子「ネットワーク化するカースト:ネパールにおける食肉産業の近代化と『肉売りカースト』の起業」『南アジアの新しい波』昭和堂2022年3月)にて2本の学術書に寄稿し、グローバル市場の浸透を受け、カーストに基づき屠畜を担っていた人々が職業として食肉加工を再定位している様相を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
期間中は新型コロナウィルスのオミクロン型の流行等により、予定していたネパール料理レストランなどでのフィールドワークは困難となり、実施できなかったものの、オンラインでのミーティングなどに参加し、ネットワークを構築することができた。上記トピックに関してはオンラインで形成したネットワークを生かして、今後実施することとしたい。
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今後の研究の推進方策 |
今後は新型コロナウィルスのパンデミックがやや落ち着いてきたことから、延期していたネパールや日本国内でのフィールドワークを実施する。また、国内外の学会に参加し、研究成果の理論的洗練化を図りたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスによるパンデミックを受け、当初予定していたネパールやインドでのフィールドワークが実施困難となったため。 よって次年度に、予定していたネパールやインド、日本のネパール系移民コミュニティのフィールドワークを実施するため、旅費を使用予定である。
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