本研究は、グローバル市場への包摂が急速にすすむ南アジア系社会おいて、従来、宗教や民族、及びカーストに強く規定されると見なされてきた食肉をめぐる価値規範を比較民族誌論的に再考するものであった。本研究を基研究として「国際共同研究加速基金(国際共同研究強化 A)」に採択されオックスフォード大学人類学博物館民族誌学部で研究を実施した。主な成果として、第一に市場化に伴いカーストや宗教コミュニティなど従来食肉を主に儀礼において扱ってきた組織はどのような変貌を遂げるか、第二に食肉の規格化と公衆衛生の管理強化を受けて屠畜実践はどのように再編成されるのかを、国内外の査読付雑誌等において発表することができた。
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