本研究は奄美の「シマ」と称される集落コミュニティを対象に、その自治制度の特徴と歴史的変遷を明らかにすることを目的としていた。そしてその方法として、近代以降の奄美のシマで作成された自治文書類を捜索し、整理することで、資料として活用することを目指した。その結果、(1)そうした史料の残存状況や所在について、一定の知見を得ることができた。(2)自治文書を含む近代史料類の活用によって、奄美のシマの自治の実態について明らかにすることができた。(3)関連する史料として商家の帳簿を発見し、これを補修することで、重要な史料を研究資源化することができた。
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