研究課題/領域番号 |
18K12612
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 京都大学 (2020-2022) 国立民族学博物館 (2018-2019) |
研究代表者 |
萩原 卓也 京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 研究員 (80803220)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | スポーツ / 文化人類学 / ケニア / 身体 / 自転車 / 身体感覚(疲労・痛み・苦しみ)と他者理解 / アフリカのスポーツ選手の生活実態 / ケニアの自転車競技選手の生涯 |
研究成果の概要 |
成果は大きく3つにわけられる。(1)自転車競技選手の追跡調査から、都市部に生きる若者の生計戦略を生涯の過程に位置づけてあきらかにすることができた。ここには、COVID-19禍におけるアスリートの生活形態の再編という重要な論点も含まれる。(2)競技選手時代に培った「技能」の引退後の展開、すなわち、元競技選手にみられる身体性を基盤とした関係性の持続的な性格をあきらかにすることができた。(3)植民地期よりアフリカの若者に向けられてきた、「発掘を待つ才能ある身体」と「エンパワーされるべき身体」というまなざしが、自転車競技団体の形成と存続に強い影響力をもっていることをあきらかにすることができた。
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自由記述の分野 |
文化人類学/スポーツ人類学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、身体性を基盤とした他者との共存可能性を考察する点で、社会集団の在り方とその存続方法を探究してきた人類学的研究を更新する。スポーツ実践を個人の内面だけではなくモノや周囲の環境も含めた生態学的な視角から捉え直す試みは、精神論や根性論といった心の問題に結び付けられてしまいがちなスポーツ選手に対する理解を相対化することにもつながる。 また、ケニアの自転車競技選手の引退後の社会生活や競技時代に育んだ技能の展開を民族誌的にあきらかにすることは、東アフリカの都市社会に生きる多くの若者が直面する社会問題の実態を把握し、その解決方策を考える際の基盤となる。
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