在庫等の集合した動産(集合動産)の担保化を活性化するための方向性を示すために担保法史や実務の観点から、経済・経営史の知見の協力も得つつ、検討した。 以上の成果によって、第一に、担保制度は戦争、経済、災害等の危機を契機に変動するため、その時代の社会状況や制度に適応してきたこと、第二に、担保物の占有形態は担保目的物が担保権者にとって占有する価値があるものか否かによって変化するため、現代では抵当形態が多くなっていること。第三に、設定者による占有はそのモラル的リスクが高まるため、第三者的な保管機関である営業倉庫がその防止に重要な役割を果たしうること。 以上から、倉庫研究が不可欠であるとの知見に至った。
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