現代の日本の公法学において,行政作用の直接の名宛人ではないがそこから何らかの影響を受ける者(第三者)を,当該行政作用との関係でどのように位置付けるのかは重要な理論的課題とされている。本研究は,今なお行政作用の中心に位置する行政行為について,名宛人の権利との関係ではない視座からアプローチする可能性を探るものである。そのために,一般処分及び対物処分という,そもそも名宛人と第三者の区別が成立しない行政行為を題材として日本に大きな影響を与えてきたドイツ及びフランスの公法理論を検討し,そこでの検討の結果を現代日本の実定法,たとえば許可法制に応用するかたちでの研究を行った。
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