研究課題/領域番号 |
18K12627
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05020:公法学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
木下 昌彦 神戸大学, 法学研究科, 教授 (90456096)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 憲法 / 経済的自由 / 経済的平等 / 経済法 / 富の集中 / プラットフォーム / 民主主義 / 戦後経済改革 |
研究成果の概要 |
第一に、富・経済的支配力の集中がもたらす憲法的価値への影響を明らかにした。富・経済的支配力の集中は、民主主義や表現の自由のような憲法上の基本的価値に大きな影響を与える。第二に、日本の憲法判例や法制度の発展と富・経済的支配力の集中との関係を明らかにした。日本の民主主義の発展は、農地改革・財閥解体・富裕税のように、富の集中の解体から始まり、その後も様々な経済法制によって富の集中の再拡大を防止する手法が採用されてきた。第三に、本研究は、富・経済的支配力の集中が、プラットフォーム企業の寡占という状況によって再び深刻な問題を生じさせていることを指摘し、その対処法について幾つかの提言を行った。
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自由記述の分野 |
憲法
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、富の集中という現象は、憲法問題として十分に認識されては来なかった。そのような状況のなかで、本研究は、富の集中がもたらす民主主義や憲法上の権利への影響を論じることで、富の集中を憲法問題の一つとして捉えなおそうとする先駆的な学術的成果をあげることができたと考える。また、本研究は、芸能事務所の寡占やデジタル・メディア・プラットフォームの寡占という現代的問題にも着目し、その寡占・独占がもたらす憲法的影響とその影響を制御するための独占禁止法制の在り方についても具体的な提言を行うことに成功しており、今日の日本社会が直面する問題に対して一定の法的解決策を提示できたと考えている。
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