本研究の目標は、ヴァイマール共和国における職業官僚性に関する論議を検討し、それによって最終的には、様々な流動的な要素から国家の安定性や中立性をいかにして保護するのか、に関する解釈論上の示唆を得ることにある。その手段として、本研究は当時の公法学者アルノルト・ケットゲンに注目し、当時彼が憲法の保障する職業官僚制の地位に関していかなる議論を展開したのか、を解明することを目指した。ケットゲンによれば、国家には客観的な価値の基礎、更にそれを体現する存在が必要である。職業官僚制にはそうした役割が求められる。職業官僚制の法的地位、特にその政治的活動に関する規律は、そうした要請から正当化されるものであった。
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