研究課題
若手研究
情報取引が経済的重要性を有する今日では情報に関する包括的な法が必要であり、その一角としての国際私法上の諸問題の全体像を解明に取り組んだ。情報に関して実際に生じている国際的・民事的問題を検討の素材としつつ、無体物を対象とする既存の議論、とりわけ著作権及び人格権に関する理論による解決可能性を検証した。既存の議論では基本的には国家法が前提とされてきたところ、情報取引の文脈においてはデジタル・プラットフォームが大きな位置を占めており、その規則の準拠法性の可能性が指摘できる。
国際私法
伝統的な無体財である著作権や人格権の理論との整合性の検討を通して、従来の前提であった国家法以外の法(非国家法)の準拠法性という視点を得、新たな検討課題へと発展させることができた。また、関連する論点として仮想空間における人格やAIと著作権といった問題へも研究を展開し、情報に関する法的論点についての今後の発展的分析への道筋を見出した。