研究課題
若手研究
本研究は、国際的に移動する働き手に対して法適用の面で保障すべき平等取扱いを、主にEU法や労働抵触法の観点から探求した。まずEUを素材として、経済統合が進むにつれて単に自由な労働力移動だけでなく公正な労働条件保障が問題となり、そのために規制を導入しようとすれば公正性を担保する基本的視点が問われることを示した。また、労働契約の準拠法決定の基準を、とりわけ平等取扱いの観点から明らかにした。
労働法
EU法研究の成果は、今後わが国が進める貿易自由化・投資促進政策において、労働者の権利保障を同時に進めるべきか否か、また進めるとして如何に進めるべきかを検討する際の基礎資料となりうる。労働抵触法についての研究成果は、現に紛争が生じている国際線の客室乗務員や、これから紛争発生が予想されるプラットフォーム就労者をめぐる、現実の国際的労働関係上の紛争解決の基準を提供しうる