強盗罪、事後強盗罪、強盗殺人罪は、裁判で成否が激しく争われる犯罪である。裁判で適切な判断を行うためには、それぞれの犯罪の性質に適した判断基準がなければならない。本研究は、これらの犯罪を根本まで遡って研究し、この判断基準を示すものである。 強盗罪は、被害者が抵抗できないようにして財産を奪うという点に特徴があり、被害者の抵抗の意思を挫いたかが犯罪の成否を判断するにあたり重要となる。事後強盗罪も同様で、被害者等の意思を挫き、追及(窃盗犯人の逮捕など)を断念させたかが判断のポイントとなる。強盗殺人罪では、強盗犯人が被害者に容易に加害行為を行うことができる状態が継続していたかが判断基準となる。
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