近年、農産物の直接取引に関する国際機関による法文書の公表が相次いでいる。代表的なものがUNIDROITの「契約農産に関するリーガルガイド」である。このような取引の内包する契約法的課題の解明、ひいては適正な取引環境の形成のため、本研究ではUNIDROIT本部での調査・研究を行った。 以上より(1)悪天候等の農産物特有のリスク、(2)大規模アグリビジネスの農業支配による交渉力不均衡、(3)設備投資を前提とした契約への依存の3つの課題を指摘した。また、これらの課題に対し、当事者の事前的リスク配分による解決には限界があることを指摘した。 本研究の最終成果は国際商取引学会年報22号にて公表予定である。
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