研究課題/領域番号 |
18K12672
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
平野 秀文 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 准教授 (60779544)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 寄託 |
研究実績の概要 |
夏に一月弱にわたり在外研究をする機会に恵まれ,文献調査と研究会での報告を行った。文献調査は,しかし残念ながら先方の基幹図書館の工事等のため遠隔的な作業を強いられたため,十分なものとはならなかった。報告は寄託を主題とするもので,準備時間および報告時間の制約に鑑み,諸史料と現代日本法とを対比的に検討する手法によった。概ね建設的なレスポンスを頂戴したものの,言語能力の不足も相まって,報告方法にも研究内容にも大いに改善の必要を感じた。本体的な研究は,Straccaの著述を一つの柱として検討を進めるという前年度の方針を断続的に遂行した。しかしながら,こちらの準備の問題もあり,実質的には足踏みしたままとなっている。個別の重要な成果を別とすれば,従来の研究動向に相当な問題を感じるなかで,それらを補助線として商事法学の側からのみ契約法学を見ようとすることに支障を覚え,註解学派の本流に近い文脈に軸足を移しつつある。もちろん後者のほうが研究の蓄積ははるかに充実しており,年度の終りにはそちらの成果の摂取に努めた。もっとも史料面ではこちらのほうが問題が多く,その分二次文献に多くの点で頼る格好となる。元来の問題意識といかに繋げていくかが課題となる。進捗状況は,良くも悪くも外在的な要因により文献調査を進めることができなかったことの影響も受けている。本来,年度の後半に史料調査を実施する予定であったが,これは取り止めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究本体について当初の予定を少しずつ修正しつつあるうえ,2月から3月にかけて敢行予定であった文献調査を行う予定がcovid-19の影響で取止めとなった。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度以降も情勢が不透明であることから,ひとまず国内の文献を中心に基礎的な検討を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末に研究が一部中途してしまったことによる。次年度は書籍等の補充が用途となる。
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