| 研究課題/領域番号 |
18K12673
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| 研究機関 | 三重大学 |
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研究代表者 |
稲垣 朋子 三重大学, 人文学部, 准教授 (70707322)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | 家族の多様化 / 親権 / 面会交流 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は、親権及び面会交流の課題について、2つの異なる角度から考察を行いつつ、最終的には総合的な観点から、離婚・再婚に直面した子の福祉の向上を図る制度の提言を行うことを目的としている。
まず、これまでの研究の延長線上にあるのが、【アプローチⅠ】法的親子関係の「内」と親権・面会交流である。この点に関して、今年度は論文「「離婚後の共同親権の具体的検討に向けて―わが国とドイツにおける議論を踏まえた課題」を公表した。そこでは、共同親権をめぐるわが国の議論の軌跡を1980年代にさかのぼって書き起こし検討を加え、比較法研究に基づき、日本における制度設計（手続）における課題に言及した。また、関連して監護権に付随する問題を取り上げた判例評釈「子の引渡しを命ずる審判に基づく間接強制の申立てが権利の濫用に当たるとされた事例」などを公表した。
一方、【アプローチⅡ】法的親子関係の「周辺」「外」と親権・面会交流は、研究を次なるステップへと進めるための基盤となるものである。離婚に伴い再婚も増加する中で、継親等には、親権への関与、面会交流の可能性がどこまで認められるのかという問題がある。この点については、今年度は、昨年度に引き続き、日独双方の学説・裁判例の考察を進めた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
【アプローチⅠ】に関して、論文・判例評釈を通じて、一定の研究成果を公表することができた。【アプローチⅡ】に関しては、本来は今年度にこれまでの研究を踏まえて、最終的にドイツでの現地調査を実施する予定であった。しかし、新型コロナウイルスの影響で渡航が叶わなかった。ただ、その代わりに文献調査をより深める方向へ転換し、年度中の論文公表には至らなかったが、新たな論点に関して問題整理を進めることはできた。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後は【アプローチⅠ】【アプローチⅡ】ともに、特に面会交流の観点から、まだ検討の余地のある部分について丁寧に掘り下げていきたい。現地でのヒアリング調査は今年度も新型コロナウイルスの状況に鑑みると、実施の見通しが立たない。場合によってはオンラインでのインタビューも検討するが、いずれにしても足りない部分は何らかの方法で補い、最終年度である次年度に論文に研究成果をまとめて公表する計画である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響により、国内の学会・研究会が中止となったり、海外調査を見送らざるを得なくなったため。次年度は、その部分を文献研究で補うことも想定されるため、書籍購入等に充てる予定である。
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