| 研究課題/領域番号 |
18K12674
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| 研究機関 | 岡山大学 |
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研究代表者 |
中村 瑞穂 岡山大学, 社会文化科学研究科, 講師 (20807945)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | 契約の清算 |
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| 研究実績の概要 |
契約が無効であった場合（取り消された場合を含む）ないし解除された場合において、契約にもとづく給付がなされていたときは、契約の清算として原状回復が必要になる。しかし、給付目的物の滅失等により、受領した状態で給付を返還することができず、原状回復が不能である場面がある。このような場面においては、一定の要件のもとで、原状回復義務者に対し、返還が不能である給付の価値を償還する義務を負わせることが考えられている。本研究は、このような価値償還義務がどのような要件のもとで認められるべきか等について、契約の清算原因による相違を踏まえて明らかにすることを目的としている。
原則としてどのような要件のもとで価値償還義務が認められるかを検討する際には、価値償還義務が認められる根拠を明らかにすることが必要になる。2019年度までの研究の結果、少なくとも双務契約の清算においては、契約の清算原因を問わず、価値償還義務が認められる根拠は終局的には双務契約における当事者の意思に求めることができると考えられることを明らかにした。もっとも、価値償還義務が認められる根拠をそのように考える立場からも、必ずしも、双務契約における（契約締結時の）当事者の意思のみを根拠として価値償還義務が認められているわけではない。そして、そのうち、（双務契約締結時の当事者の意思に加え、）契約締結後の当事者の一定の行為にも根拠を求める見解を前提とすれば、清算原因が解除であるか無効であるかによって、原則として価値償還義務が認められる要件も異なることになる。ドイツ法を具体的に分析することにより、2020年度はこれらの内容を明らかにすることができた。加えて、（原則として価値償還義務が認められる要件を満たしている場合であっても、）例外として価値償還義務が認められないこととされる場面について、清算原因ごとに検討を深めることができた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響により文献の入手が予定どおりに進まなかったこと、また、契約の清算について総合的に検討するため、解除と損害賠償の関係についても検討が必要となったこと等により、論文の執筆が予定よりやや遅れているため。
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| 今後の研究の推進方策 |
今年度は、これまでに入手した文献によって可能な範囲において、論文の執筆を行うことを予定している。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響により、資料収集に困難が生じたことから、次年度使用額が生じた。その分については、今年度、追加的に必要となった図書の購入費用として使用する計画である。
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