この研究では、従来必ずしも十分な議論の蓄積がなかったテーマについて、基本的な分析視角を提示するとともに、具体的な解釈論・立法論的な提言を行った。学術的には、多数の投資家が集合的な意思決定を行う場合における法的規律のあり方、金融契約に基づく債務の履行が事後的に困難となったために再交渉が行われる場合における法的規律のあり方、事業再生における様々なタイプの権利者の処遇に関する法的規律のあり方について、理論的な観点から研究を深化させることに貢献した。また、社会的にも、社債の発行・管理に関する将来の実務の発展に一定の貢献をなしうるものと考えている。
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