本研究は、「デリバティブにも保険における被保険利益の要件のような契約法的制約が必要か」という問題について、アメリカの法制度・判例・学説等を参考にしたうえで、わが国における解釈論・立法論を提言することを目的とするものである。 近時の金融危機が示したように、デリバティブ市場の失敗は、社会・経済に広く不の影響を与える危険性がある。このような失敗に対しては、「市場インフラ」を中心とした法規制が設けられていた。一方で、デリバティブの「契約内容」に踏み込んだ法規制は設けられていない。このような中、本研究は、わが国にお手デリバティブに契約法的制約を課すことが必要か否かを比較法的に研究する新たな試みである。
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