本研究の目的は、生活保護政策を対象として、政策設計者がいかなる意図を持って政策の実施主体を選択しているのか、そして実施主体の違いによって政策帰結がどのように異なるのかを明らかにすることである。厚生省(厚生労働省)の政策形成過程と自治体の政策実施過程をそれぞれ分析したうえで、両者の接合を図ることを目指した。前者についてはコロナの影響により十分な資料調査が行えなかったが、後者についてはケースワーカーのアンケートデータを入手して第一線行政職員のカテゴリー化を試みた。こうした個人レベルのデータ分析は第一線行政職員研究にイノベーションを起こす可能性がある。
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