日本の社会保障制度の構築、改革において、利益集団としての日本医師会が果たして来た役割は大きいものの、「医師」全体を包括する組織が不在の日本においてプロフェッショナルとしてその専門性を十分に発揮してきたとは言い難い。一方で、医学の新しい知見を政策の変更のためのアイディアとして注入するチャンネルも弱く、優生保護法に基づいたハンセン病対策の面において「不作為」とも言える禍根を残してきたことも新たに見えてきた。 今後はこの成果を論文、特に日本の医療制度等について十分に海外に情報が発信されていない状況を踏まえて、英語論文と取りまとめ公表していくことに力を注いていきたい。
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