| 研究課題/領域番号 |
18K12708
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| 研究機関 | 学習院大学 |
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研究代表者 |
三輪 洋文 学習院大学, 法学部, 准教授 (20780258)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | 理想点推定 / イデオロギー / 政治コミュニケーション / 計量テキスト分析 / 司法政治 / 信念体系 |
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| 研究実績の概要 |
本研究課題の主要な目的の一つである裁判官の理想点推定については，昨年度から継続していた法務博士号をもつリサーチアシスタントによる最高裁裁判官の個別意見の再コーディング作業を完了させた。
その他の理想点推定・空間理論に関連する研究の状況は次のとおりである。(1) 昨年度末時点で修正再投稿の招待を受けていた，コンジョイント実験によって日本の有権者による「左」「右」のラベルの理解を明らかにした論文が，Political Behaviorにアクセプトされ，オンラインで公開された。(2) 国会会議録テキストから1959～2019年の日本の政党の理想点を推定してその推移を明らかにした論文を執筆し，日本選挙学会で報告した。(3) 政治エリート調査データと世論調査データを項目反応理論モデルを有限混合分布モデル化した手法で分析することで，政治エリートと信念体系を共有する有権者の割合を明らかにする論文を仕上げて，海外誌への投稿活動を開始した。(4) 企画委員会からの依頼を受けて，ポピュリズムをイデオロギーとして捉えるアプローチに基づき，有権者が若い政治家を好む背景にポピュリストへの期待があることを検証する実験を行い，その結果をまとめた論文を日本政治学会で報告した。(5) 過去に行ったが継続を断念していた，ソフトニュースの視聴とイデオロギー投票の関係を示す研究について，9月の自民党総裁選を題材とした実験研究のアイディアを思いつき，そのための予備調査を実施した。(6) 日本選挙学会の企画委員会からの報告依頼を受けて，2021年総選挙における有権者の政策選好と投票の関係を調べるための研究を計画し，そのためのオンライン調査を実施した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
関連研究は多く進めることができたが，本研究課題の柱の一つである裁判官の理想点推定に関しては，再コーディング作業は完了させられたものの，本研究課題外の共同研究や新しく依頼された学会等での研究報告などに当初想定していた以上の時間をとられて，再コーディングされたデータの分析に着手することができなかった。そのため，研究期間の再延長を申請した。
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| 今後の研究の推進方策 |
最高裁裁判官の理想点推定の再分析を行い，海外学術誌に投稿する論文を完成させる。上記関連研究(5)については，実験を実施し，過去に書いた論文にその分析結果を加えて，海外学術誌に投稿する。(3)については引き続き投稿活動を続け，(2)と(4)についても論文を海外学術誌に投稿できるところまで進むことを目標とする。(6)の論文は，日本選挙学会で報告した後，『選挙研究』に寄稿する予定である。また，昨年度は手を回せなかったが，一昨年度まで進めていた論壇誌への記事掲載回数のデータによって言論人と論壇誌の理想点を推定する研究については，妥当性の確認のための作業をクラウドワーカーに依頼し，そのデータをもとに論文の執筆を進めたい。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
論文の執筆が遅れたため，英文校正費として支出するはずの分を使用しなかった。また，最高裁判決のコーディング作業の費用を想定よりも抑えることができた。次年度は論文を完成させて英文校正費を支出する。最高裁判決のコーディング費用を抑えられた分は，言論人・論壇誌の理想点推定の妥当性を確認するためのデータの作成費用と，ソフトニュースとイデオロギー投票の関係に関する研究の調査費用に充てる。
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