本研究は人民代表大会・人民代表会議を中心とする三権分立と党の関係、これによって導き出される政治体制、共産党の権力の強靭性と脆弱性の実態を実証的に明らかにし、当時完成された政治制度は、現代中国政治にまで根強く残っており、現代においても中国における民主化を著しく制約している要因の1つと考えられることを明らかにした。 また本研究で収集された貴重な史料は、従来から史料の乏しさと分散さが指摘されてきたが、本プロジェクトを通して、中国の1950年代史研究にとっての確固たる基盤を提供し、アクセスを容易にすることにより、日本の中国研究に多大なる貢献を行うことができるようになった。
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