研究課題/領域番号 |
18K12714
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
小森 雄太 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員 (70584423)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 外務省国際法局 / 海難審判制度 / 定員管理 / 政軍関係 / 行政機関 / 新制度論 |
研究実績の概要 |
令和2年度は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行拡大に伴い、当初予定していた米国議会図書館(Library of Congress)(ワシントンDC)および米国国立公文書記録管理局(National Archives and Records Administration)(メリーランド州)での文献調査を全て見合わせることとなった。そのため、前年度に実施した調査研究の成果を踏まえ、国際関係と政軍関係の結節点である外政機構の実態を考察することを目指し、調査研究を実施した。 我が国を含む先進国の政軍関係(civil-military relations)の重要な要素である外交・安全保障が国際関係の影響を受けることは自明であるが、その影響の度合いは十分に解明されてこなかった。一方、さまざまな政策の国際化が進展し、我が国を含む各国の中央省庁が独自に国際部門を設置しているが、外務省に代表される外交を専管する省庁が依然として存在し続けていることも無視できない。そのため、今年度は外務省を含む行政機関の実態解明を図るとともに、外務省以外の国際法の影響を受ける行政機関の実態解明を図るため、国立国会図書館、国立公文書館アジア歴史資料センター、東京国立博物館資料館、函館市中央図書館、市立函館博物館、函館市北方民族資料館、函館市北洋資料館、島根県公文書センター、島根県立図書館および松江市立中央図書館などでの文献調査を実施し、外政機構の実態解明を目指した。 その結果、戦前日本における官吏の定員がどのように管理されていたのかを明らかにするとともに、国際法の影響を受け得る行政機関としての海難審判制度の実態を明らかにした。併せて、行政機関をはじめとする制度を分析するための分析視角としての新制度論の可能性を提示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和2年度の調査研究の成果は、最終年度である令和3年度の調査研究に大きく寄与することが予想されるものの、COVID-19の流行拡大に伴う年度当初に予定していた海外での文献調査が全て中止せざるを得なかったことにより、当初計画のスケジュールに遅延が生じている。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度以降の研究の推進方策について、引き続き当初計画に従い、作業に取り組むとともに、必要に応じて新たな研究課題を設定するなどして、本研究の目的達成を図る。 なお、令和2年度の実施を予定していた米国議会図書館および米国国立公文書記録管理局における諸外国の国際法担当部局による外交・安全保障政策の形成過程に関する史資料の収集・分析については、令和3年度第2四半期(令和3年7月~9月)以降に実施することを予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和2年度は、前記(研究実績の概要)の通りの調査研究を実施したが、COVID-19の流行拡大に伴う年度当初に予定していた海外での文献調査が全て中止せざるを得なかったことにより、次年度使用額が生じた。そのため、他の作業は当初の想定以上に進捗してものの、全般的には本研究はやや遅れていると考える。 令和3年度以降については、海外での文献調査を実施するのみならず、他の研究や研究成果の発表などを積極的に実施し、申請段階での研究計画を達成しつつ、かつ本研究の目的を達成するよう精力的に研究を遂行したいと考えている。
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