研究課題
若手研究
本研究では、1979年のサッチャー政権発足から新冷戦下の東西対立が頂点に達した1984年までを主な対象時期として、第1にサッチャー政権の外交構想と欧州安全保障政策、第2に新冷戦に対する西側同盟の政策形成にイギリスが果たした役割を明らかにすることを目指した。その研究成果については、学術雑誌『国際政治』への投稿論文、及び英語での単著として公開する準備を進めていたが、健康上の問題により研究を中断せざるを得ず、残念ながら研究期間内に完成させることができなかった。
外交史
本研究の学術的意義は、第1にその独自性が注目されがちなサッチャー政権期の外交・安全保障政策について、「サッチャー以前」の政策を踏まえた実証的分析を行い、その特徴を明らかにしたこと、第2にサッチャー政権期のイギリス外交について当時の緊張の度を高めていた東西冷戦下の西側同盟内政治力学の中に位置づけ、その多極性と重層性を明らかにする視座を提供したことである。