| 研究課題/領域番号 |
18K12726
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| 研究機関 | 九州工業大学 |
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研究代表者 |
大山 貴稔 九州工業大学, 教養教育院, 講師 (20802391)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| キーワード | 外交思想 / 経済大国 / 国益 / 政府開発援助 / 平和主義 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は「経済大国」という日本像が色濃く現れていた1970年代から90年代初頭の日本外交論を対象にとり、そこに見受けられる外交思想の諸相を詳らかにすることを目的とするものである。この目的を果たすために、①1960年代以来の論者の日本外交論の変遷、②1970年代から80年代に現れた論者による日本外交論、③1990年代初頭に現れた新世代の論者による日本外交論、という3つの検討項目を設け、「経済大国」としての日本外交論の展開を立体的に把握することを目指している。このような研究に取り組むことで、「平和主義」の変容につらなる思惟様式の転換を捉えるとともに、非西洋の国際関係理論の展開を見据えた研究潮流に新たな事例を提供できると考えている。
2年目（2019年度）の研究実績としては、大きく2つのことがあげられる。ひとつは、②1970年代から80年代に現れた論者による日本外交論についての調査を進めたことである。「経済大国」化とともに関心を集めるようになった政府開発援助（ODA）に焦点を当て、この政策を視野に入れた日本外交論の分析を行った。この成果の一部について研究会で報告する機会を得ることができ、そこでの議論を盛り込んだ形で論文を刊行することができた。もうひとつは、本研究を「平和主義」の変遷を捉えるひとつのアプローチと位置づけて、その理論的かつ方法論的な意義について検討したことである。そこで整理した研究史をもとにしながら、最新の研究成果を俎上に載せた書評論文を刊行することができた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2年目（2019年度）は上記②を中心に検討を進めつつ、理論的かつ方法論的な位置づけを明確化する計画を立てていた。②の検討を通して得られた成果については、JICA研究所編『「日本の開発協力の歴史」バックグラウンド・ペーパー』に論文を掲載することができた。他方、後者の理論的かつ方法論的な検討についても、書評論文を刊行したことに加えてレビュー論文の執筆を計画できる段階にまで進めることができた。以上を踏まえ、本書の計画に沿って「おおむね順調に進展している」と判断した。
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| 今後の研究の推進方策 |
1年目（2018年度）と2年目（2019年度）に得られた成果と比較検討しながら、③についての調査を引き続き継続する予定である。2020年度は本研究の最終年度にあたるため、①②③の共通点と相違点を体系的に整理しながら、「経済大国」としての日本外交論の展開を立体的に描き出す作業を進めたい。
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