本研究成果は次の通りである。第一に、沖縄米軍基地の形成と変容について、日米関係の観点からまとめた。沖縄米軍基地は、アジア太平洋戦争末期の沖縄戦において形成され、1950年代に朝鮮戦争後の米軍再編の中で海兵隊の日本本土からの移転によって沖縄への米軍基地の集中が進んだ。そして、沖縄返還前後の1970年代前半、日本本土の米軍基地が削減される一方で沖縄の米軍基地は維持されたことで、沖縄への米軍基地の集中がさらに進んだ。第二に、沖縄返還に向けた政治過程を明らかにした。特にサンフランシスコ講和条約第3条と講和後の沖縄問題について紀要論文に発表した。第三に、戦後沖縄における国際秩序構想について検討した。
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