| 研究課題/領域番号 |
18K12740
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| 研究機関 | 筑波大学 |
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研究代表者 |
澤 亮治 筑波大学, システム情報系, 准教授 (70644566)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | 確率安定性分析 / 長期的な均衡の導出 / 限定合理性 / 社会選択理論 / 協力ゲーム |
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| 研究実績の概要 |
2020年度は、本プロジェクト目標の「社会にとって適切な均衡へと導くメカニズムの解明」に向けて、理論研究を継続した。完全な合理性の仮定を緩和した限定合理的な人々が、長期的にどのような社会状態に到達するかの解明を研究目的としている。2019年度に投稿可能な水準の論文としてまとめた「A Stochastic Stability Analysis with Observation Errors in Normal Form Games」を「Econometric Society World Congress 2020」の会議で発信を行った。この論文では、人々が戦略選択を誤る場合と他者の戦略を見誤る場合の均衡選択における類似点・相違点を特徴づけており、提案した戦略を見誤るプレイヤーの進化動学は限定合理的な人々の行動予測の新しいモデルとなりえる。また、筑波大学の社会工学類における研究室配属のマッチング運営のフィールドデータより、適切なマッチングメカニズム設計への示唆をまとめた論文を「oTreeを用いた配属システムの設計・構築とその運用」(島田夏美氏・吉田真聖人氏との共著)として情報処理学会論文誌に掲載した。論文では理論研究で置かれている仮定が現実の環境で妥当あったかなど、理論の仮定と実際の人間行動について比較をする議論を展開した。これは本研究目標にもつながるものである。投票状況を進化的動学モデルを用いて長期状態の予測を行った論文「The Evolution of Collective Choice Under Majority Rule」（岡田章氏との共著）の改訂版を作成し、引き続き筑波大学社工コモンズセンターのDiscussion Paper(DP No.1367)として発信した。これらの成果により、今後の継続研究につながる理論的な示唆が得られた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理論研究が引き続き順調に推移した。
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| 今後の研究の推進方策 |
理論研究が比較的進展していること、新型コロナの状況により実験などが困難な状況であること、また本研究で検討している限定合理性や協力ゲームの応用範囲が広いことより、過年度より引き続き理論研究を集中的に行う。実験の代替となりえると予想されることから、理論モデルのエージェントベースドシミュレーションによる検証環境をより整備する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナの影響により一部計画の実施に支障が生じた。次年度はエージェントベースドシミュレーションによる理論検証など新型コロナの影響が少ない手法で研究を遂行する予定である。
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