研究課題/領域番号 |
18K12743
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
砂川 武貴 一橋大学, 大学院経済学研究科, 講師 (10747223)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ニューケインジアンモデル / 数値計算 / ベイズ推定 |
研究実績の概要 |
今年度は、COVID-19の影響により、予定していた海外出張は全て取り止めとなった。この間、International Journal of Central Banking誌からの改訂要求の作業を進めて、再投稿まで漕ぎ着けた。この改訂作業において、準線形モデルの解法と推定方法(Guerrieri and Iacoviello, 2015; 2017)を学ぶことができた。これは、従来試していた非線形モデルの解法と推定方法に比べて、計算速度やプログラミング上のコストが少ない一方、比較的高い精度でモデルを解くことが可能である、優れた方法である。この新しい方法を、RAの助けも借りて、名目金利の下限を明示的に考慮した中規模ニューケインジアンモデルに応用することを試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでにJapanese Economic Review誌にサーベイ論文を出版したほか、International Journal of Central Banking誌から改訂要求を受けて再投稿した。上述した新しい推定方法により、もう1本の論文"Parameter Bias in an Estimated DSGE Model: Does Nonlinearity Matter?" (joint with Yasuo Hirose)についても改訂の目途が立った。
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今後の研究の推進方策 |
新しい準線形モデルの解法と推定方法(Guerrieri and Iacoviello, 2015; 2017)を用いて名目金利の下限(Zero lower bound, ZLB)を明示的に考慮した中規模ニューケインジアンモデルのパラメータを推定し、同じモデルをZLBを考慮しないで推定した場合と比較する。具体的には、ZLBを考慮して推定したパラメータをData Generating Processとみなして人工的にデータを生成し、そのデータを用いてZLBを考慮しないでパラメータ推定した場合に、パラメータの真の値からのバイアスを計測する。また、ZLB以外の非線形性がパラメータバイアスに与える影響についても、定量的な評価を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響により海外出張が取り止めになったため。今年度も出張の見込みは立たないため、当初予定していた海外出張費用は今後RAの雇用などに用いる予定。
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