| 研究課題/領域番号 |
18K12745
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| 研究機関 | 青山学院大学 |
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研究代表者 |
川上 圭 青山学院大学, 経済学部, 准教授 (90786237)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | Disclosure |
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| 研究実績の概要 |
資源再配分の効率性という観点からM&A市場を分析する静学的な理論モデルを構築した。モデルの特色として、情報の非対称性を取り込みつつ、M&Aの発表に対する株価の反応についての米国における実証事実を、効率的な資源再配分と整合的に解釈することができる。静学モデルの性質については概ね明らかになったため、研究成果を2本のワーキングペーパーにまとめた。
第一論文では、生産技術と企業属性分布に関する弱い仮定のもとで、買収企業と被買収企業の株価の反応が実証事実と整合的になる条件を明らかにした。また、M&Aが発表される前に、企業のどのような属性が投資家に観察可能であるかに依存して、買収側と被買収側の株価の反応（上昇/下落）の4つの組み合わせが発生することを示した。
第二論文では、仮定を強めたモデルを用いて、異なる情報開示制度の在り方がM&Aの効率性に与える影響を分析した。特に、情報開示の精度は高いが独占的な（したがって企業から高い料金を徴収する）仲介業者に依存した制度と、不正確だが無料の情報開示を提供する公的な制度を分析し、どちらの制度も非効率だが、両者が共存する場合のほうが、それぞれの制度が単独で存在する場合よりも非効率の程度は小さくなることを示した。
研究成果は、以下の場所で発表した。
■ Econometric Society North American Meeting (UC Davis)での学会発表
■ 名古屋大学、一橋大学、University of Melbourne、富山大学での研究発表
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2018年度中に第一論文をまとめ、2019年度に追加分析を行う予定であったが、2018年度中に研究成果が蓄積したため、二つの論文（ワーキングペーパー）にまとめることができたため。
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| 今後の研究の推進方策 |
2019年度はこれまでの研究成果を発表し、論文を改訂したうえで学術雑誌に投稿することを目指す。研究発表は現時点で以下を予定している。
■ 東京大学での研究発表（5/9発表済み）
■ Econometric Society North American Meeting (University of Washington)での学会発表
■ The Tokyo Conference on Economics of Institutions and Organizations (東京大学)での学会発表
同時に、第三論文（当初の予定では第二論文）に向けたモデルの動学的拡張について検討する。
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