本研究では形状に制約のある関数モデルのベイズ分析を取り上げ,特に非線形分位点回帰モデル,状態空間SIRモデル,ロレンツ曲線を取り扱い,女性の労働,所得不平等などの経済学的重要な課題及びCOVID-19の感染拡大予測といった社会的に喫緊の課題に関する応用を行った.形状に制約のあるモデルの取り扱い方は様々で,ガウス過程,微分方程式,パラメトリック関数などに基づいたものを取り扱い,それらを中心に状態空間モデル,階層モデル,ノンパラメトリックベイズを構築することで制約を満たしつつ柔軟なモデルを提案した.関連して,所得分布の空間モデル,柔軟性と推定の安定性を両立するような混合モデルについても扱った.
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