研究課題/領域番号 |
18K12761
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研究機関 | 西南学院大学 |
研究代表者 |
亀井 慶太 西南学院大学, 経済学部, 准教授 (60756526)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 寡占的一般均衡 / 企業内分業 / 動学分析 / 所得分配 |
研究実績の概要 |
2018年度は研究計画の1年目として、Chaney and Ossa (2013)の構築した企業内分業モデルをNeary (2016)による寡占的一般均衡理論に導入した理論研究Kamei (2014)を動学的寡占モデルへの拡張することを試みた。具体的には、Kamei (2014)に対して、動学的な寡占企業競争モデルであるFershtman and Kamien (1987)型の粘着価格を導入することで動学モデルを構築を試みた。しかし、直接的にモデルを導入したところモデルの均衡解を分析可能な形で得ることができなかった。そこで、方針を多少転換し、効用関数に対して追加的な仮定を施すことを通じて、モデルの解析解を導出し、各変数がモデルの挙動にどのような影響を与えるのかについて検証した。特に本研究では、数値シュミレーションを用いて分析を行った。
その結果、上記の動学的分業モデルを下に、現実的な数値に基いて数値シュミレーションを行った結果、いくつかの動学的な分業の深化過程について一定の結果を得ることができた。さらにそれに伴う賃金・企業家と労働者間の所得分配構造に与える影響についても一定の結果を得ることができた。
2018年度は、上記の研究結果についてワーキングペーパーの刊行が間に合わなかったが2019年度には研究成果をまとめ、刊行する予定である。その他に、本研究の関連研究として、輸送価格に関する論文をワーキングペーパーとしてまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
モデルの計算においていくつか工夫を要する箇所があったためにモデル解析に少々遅れが生じた。その遅れが、数値計算・シュミレーションに対しても影響を与え、論文作成に響いた。しかしその後、分析は順調に進んでおり近日中にワーキングペーパーという形で成果を報告する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
一年目のモデルに基づき、Fujiwara and Kamei (2018)で導入された非貿易財部門を伴った国際貿易モデルの下で、一年目と同様の分析を行う。特に、貿易自由化の効果が非貿易財部門の企業生産性に与えうる効果の推移について注目する。最終的に、研究成果をまとめ、国際的な学会での報告・国際的学術誌への掲載を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
論文の作成が遅れたために、論文投稿費用が発生しなかった。次年度で使用する予定である。
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