研究課題/領域番号 |
18K12761
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研究機関 | 西南学院大学 |
研究代表者 |
亀井 慶太 西南学院大学, 経済学部, 准教授 (60756526)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 微分ゲーム / 寡占的一般均衡理論 / 企業内分業 |
研究実績の概要 |
2021年度は研究計画の四年目として、これまでの研究成果であるChaney and Ossa (2013)の構築した企業内分業モデルをNeary (2016)による寡占的一般均衡理論に導入した理論研究Kamei (2014)を動学的寡占モデルへの拡張研究として、国際貿易へ導入したモデル構築を継続して行った。数値計算において一定の分析を行うことが出来たが、依然として分析が煩雑であることから解釈については難航している。モデルをさらに簡略化を施すなど、さらにモデルを簡略化することで、結果の解釈を用意にするようなモデル設定を考えていく予定である。
また本研究の基本モデルを参考に、寡占的一般均衡理論に対して微分ゲームを取り入れることた論文をまとめ、Yanase and Kamei(forthcoming)としてDynamic game and Applicationに採択され、近日中に刊行される予定である。この研究は、環境経済学に微分ゲームのフレームワークで議論を行ったDockner and Long(1993)の部分均衡モデルに対して寡占的一般均衡理論フレームワークを当てはめたモデルである。本研究によって、寡占的一般均衡を動学化した論文として今後の研究可能性を示す事ができた。
今後の研究としては、モデルから導出された結果をどのように解釈を行うか、そしてモデルの大幅な修正も含めて引き続き検討を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度も2020年度に引き続き、新型コロナウイルスの流行により、一部の国際学会・研究会・カンファレンス等は遠隔形式で実施されたものの、その多くは中止となった。研究手法に関する助言やコメント・学会やカンファレンスを通じて研究者からコメントを得ることが非常に困難な状況が継続したため、研究の進行が遅れることになった。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度に引き続いてとなるが、現在の研究成果を論文としてまとめることを最優先としたい。 新型コロナウイルスの流行状況が改善し、学会・研究報告が可能となり次第、共同研究者からの分析手法に対するコメント・学会などを通じてコメントをもらう予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度に引き続いて新型コロナウイルスの流行により、研究計画について再検討の必要があったこと、および研究の打ちあわせ・学会・カンファレンスにおける研究報告などを通じて、研究者からアドバイスを得る機会に恵まれなかったことなどの要因により、研究が当初の予定よりも遅れている。研究環境の変化による影響をなるべく軽減することができるように遠隔での研究推進方法を探っていたが、対面実施に代えがたい部分については遠隔形式での代替が困難であった。2022年度においては、新型コロナウイルスの流行が収束に向かい次第、共同研究者などから直接コメントをもらい、論文の修正に反映させていきたい。
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