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2018 年度 実施状況報告書

水質取引オークションの市場細分化に関する実験研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K12766
研究機関新潟大学

研究代表者

伊藤 伸幸  新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (30742605)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード水質取引 / オークション形式 / 履行ルール / 実験デザイン
研究実績の概要

本年度は主に非対称オークションの理論分析に関する先行研究や、水質取引オークションのラボ実験に関する先行研究の文献調査を行い、実験デザインに関する課題に取り組んだ。水質取引オークションの実験デザインは、オークション形式、履行ルール、被験者の特性の統制の3つに分類できる(Schilizzi, 2017)。
オークション形式には、(1)水質改善のための予算があらかじめ決まっている予算制約と、ある水準まで水質を確実に改善する目標制約のどちらを用いるか(Schilizzi and Latacz-Lohmann 2007)、(2)一様価格や差別価格など、どのような価格決定ルールを用いるか(Cason and Gangadharan 2003)、(3)オークションの対象(水質クレジット)を汚濁負荷の削減行動と実際の排出削減量のどちらで定義するか、(4)その他、取引される水質クレジットを複数にするか、入札する単位を個人とグループのどちらにするか、など実験デザインにおける選択肢がある。
また、履行ルールには、(1)オークションを行う当局が、入札者(汚染源)に関する情報を入札者間で共有させるか、共有する場合はどの情報を共有させるか(Cason and Gangadharan 2003)、(2)入札者間の自由なコミュニケーションを許可するか、(3)汚染や水質クレジットなど、モデルに表現されていない現実の状況に関する用語と中立的な用語のどちらを用いるか、などの選択肢がある。
さらに、被験者の特性である、年齢や性別、リスク態度などを実験でどの程度統制するか、なども実験デザインにおける課題となる。
以上の実験デザインに関する課題について考察するため、本年度は主に先行研究に関する文献調査を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は、実験用PCを用いた水質取引オークションのラボ実験を行える環境や、学生を実験協力者として募集するシステムを整備した。ラボ実験に関する先行研究の文献調査から、実験デザインに関する課題に取り組んだが、プレテストの実施までには至らなかった。

今後の研究の推進方策

次年度以降は、(1)移動係数の異質性の増大が費用対効果に与える影響、(2)移動係数が同じ非点源ごとに市場を細分化した場合の費用対効果への影響に関するラボ実験の実験デザインを完了させ、実験用プログラムz-Treeの動作テストとパラメータ設定の確認を行うためのプレテストを実施する。さらに、プレテストの結果を分析し、z-Treeプログラムの修正やパラメータの調整を行い、実験データを収集するための実験を実施する。実験データの解析と論文の執筆を行い、国内外の学会等で報告を行う。また、学会等で得たコメント等を基に論文を修正し、国際学術雑誌に投稿する。

次年度使用額が生じた理由

本年度は、ラボ実験に関する先行研究の文献調査から、実験デザインについての考察を行ったが、プレテストの実施までには至らなかった。次年度使用額はラボ実験のプレテストを行う際に支出する。

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公開日: 2019-12-27  

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