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2018 年度 実施状況報告書

『争い』と発展 - 歴史データを使った因果分析

研究課題

研究課題/領域番号 18K12768
研究機関大阪大学

研究代表者

北村 周平  大阪大学, 国際公共政策研究科, 講師 (90812090)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード争い / 政治と文化の発展 / 経済発展 / 因果推論
研究実績の概要

本研究では、欧州と日本のユニークな歴史データをデジタル化し、それらを使った実証分析を通じて、経済発展の背後にある政治と文化の発展メカニズムを明らかにする。とりわけ人々の争いの歴史が、政治と文化の発展に与えた影響を分析する。
2018年度は、主に情報・データ収集とデジタル化作業を行った。欧州の歴史的な戦闘データは、当初、Michael Clodfelterの著作物等からデジタル化する予定であったが、その後、アメリカ陸軍省所属の研究所が作成した紙ベースのデータを発見したため、後者をデジタル化した。19世紀初頭までデジタル化作業が完了した段階で地理空間データと結合し、試験的な計量分析を試みている。歴史的な絵画データは、当初予定していたソースに加え、既存研究を通じて、それと補完的なソースを発見したため、両者の取得、整備を行った。これまで15万を超える作品のデータが集まっている。また、小国家間の競争が欧州の長期的な経済発展に及ぼした影響を分析した論文が、Journal of the European Economic Associationにアクセプトされ(決定は2月。刊行は2019年度以降)、本課題を推し進めるための学術的基盤が整った。一方、米騒動の研究は、富山県魚津市の米騒動100周年関連事業等に積極的に参加し情報収集した他、騒動データを選挙データと結合し、試験的な計量分析を試みている。また、これまでの研究でわかったことを書籍の1章にまとめた(刊行は2019年度)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2018年度の実施計画は情報・データ収集とデジタル化であり、概要で述べた通り、その点は確実に進展している。戦闘データは、採択後により良いデータが見つかったため、そのデジタル化に切り替えた。絵画データは、当初予想していた以上に膨大なデータが集まった。

今後の研究の推進方策

概要で述べた通り、欧州の経済発展を分析した論文の国際学術誌への掲載が決まったため、課題で取り扱う欧州と日本のうち前者の研究ウェイトを若干大きくする。戦闘データのデジタル化をさらに進めるとともに、絵画データの解析と追加情報の収集、入力をする。米騒動の研究に関しては、書籍の分担執筆中に新しい分析アイデアが浮かんだため、関連するデータを追加的に収集、入力する。

次年度使用額が生じた理由

絵画データに関する研究補助員による作業が、タイミング的に2018年度中に発生しなかったため。2019年度以降に使用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [国際共同研究] ヨーク大学(カナダ)

    • 国名
      カナダ
    • 外国機関名
      ヨーク大学
  • [雑誌論文] Geography and State Fragmentation2019

    • 著者名/発表者名
      Shuhei Kitamura and Nils-Petter Lagerlof
    • 雑誌名

      Journal of the European Economic Association

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • 査読あり / 国際共著
  • [図書] グローバリズムと公共政策の責任2019

    • 著者名/発表者名
      北村周平
    • 総ページ数
      印刷中
    • 出版者
      大阪大学出版会

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公開日: 2019-12-27  

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