本研究では次の研究成果を得た。第一に、費用効率性に影響を与えるのは経営陣の所有構造と多角化戦略であり、組織内に調整部門を持つことや大株主による株式所有、そしてホールディングス制の導入は費用を増加させる傾向がある。 第二に、垂直統合により、調整パフォーマンスは劇的に改善する。また、垂直統合の優位性は、公式的な手段によるコミュニケーションではなく、非公式のコミュニケーションのプラットフォームを様々な側面から提供できるという点から生じている。 第三に、包括委託ではロックインによる非効率性が生じており、包括委託の強みである民間事業者の深い関与が費用増加につながる可能性があることがわかった。
|