研究実績の概要 |
最終年度である2022年度は、需要ショックが企業間取引ネットワークを伝播する現象についての実証研究("Demand shock propagation through an input-output network in Japan")に関して、直近のデータを用いて分析結果をアップデートし、それに合わせて論文を改訂した。また、この論文の内容を、Econometric Society, Asian meeting で発表し、参加者からコメントを得た。本年度は、コロナに対する措置が緩和されることを想定して、海外への出張・滞在を当初計画していたが、措置の緩和が想定していたよりも時間がかかったこと及び先方との都合がつかなかったことから、海外への出張・滞在を見送ることとなった。このため、海外への出張・滞在のために計上していた予算を返却している。
研究期間全体を通じて、(1)企業レベルのショック(成長・縮小)(2)企業レベルショックのネットワーク上の伝播 (3)企業レベルショックとマクロレベルの景気変動との関連について理論・実証の両面で研究を進め、研究結果を論文としてまとめてきた。また、海外・オンラインを含む研究発表(Econometric society, CEF, EARIE等)も継続的に行ってきた。学術雑誌への投稿については、(1)に関する論文はJEDCへの掲載が完了しているが、その一方で(2,3)に関する論文については本研究期間中に完了することができなかった。このため、(2,3)に関する論文については、学術雑誌への掲載を目指して、今後も継続して行う予定である。
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