最終年度は昨年度実施したサーベイ結果をThe North Pacific Marine Science Organization (PICES)2023年次会合(シアトル、アメリカ)において、"Transition of Consumer Preference for Seafood Sustainability in Japan"のタイトルで口頭発表を行った。また、前年度から執筆している論文の情報のアップデートおよび学術誌への投稿を行うための論文修正を行った。2024年5月に学術誌へ投稿予定。
期間全体を通じて、MSCエコラベルの予備審査スコアを使った認証前漁業と認証後漁業の比較研究がMarine Policyに掲載され、また日本水産経済新聞にも取り上げられた。そして、本研究において、認証漁業と非認証漁業の入手可能な期間の資源量及び漁獲量を比較したところ、認証漁業はデータの初年度から最終年度にかけて漁獲率が減り、資源量が増加しているのに比べて、非認証漁業は漁獲率が上がり、資源量が減少していることが判明した。このことから、本研究課題全体のリサーチクエッション、持続可能性認証は漁業資源に影響を与えているか?に対して、本研究は肯定的な結論を得た。
しかし、認証漁業はコスト面から比較的利益が見込める漁業のみが取得するという前提では、認証は乱獲になる恐れがある漁業資源のストッパーとして機能すルノではないかと思われる。しかし、認証漁業よりも資源量が多く、また漁獲率も低い非認証漁業も数多く存在しており、認証を取得していないからと言ってそれが必ずしも非持続的というわけではないことも本研究から判明した。
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