地域医療を支えるマンパワーの不足が懸念されている現状を踏まえて、近年急速に進んでいる医学部の高偏差値化が医師の労働供給にどのような影響を与えるのか解析した。分析では、入学した医学部の偏差値が高かった医師と、偏差値がそれほど高くない医師でどう変わるのか検証し、成果を2020年に英文学術誌に公表した。高偏差値化は入学した医師のキャリアパスに大きな影響を与えている可能性が示唆された。まず、DPC病院などの急性期病院で就労する確率が大きく上昇していた。また、専門医資格を取得する確率も上昇していた。一方で、開業する確率は大きく減少した。
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