研究課題/領域番号 |
18K12810
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
長田 健 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 准教授 (30612204)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 個人ネットワーク / 企業不正 / 銀行 |
研究実績の概要 |
本年度は主に研究に用いる複数のデータを取得・整理し、それらを用いて基礎的な分析を行った。 取得したデータは「銀行の財務データ(日経NEEDS-CD ROM)」「銀行の取締役会メンバーの個人属性情報」「企業のコーポレートガバナンスに関するデータ」「企業不正発生に関するデータ」の4種類である。1つ目のデータは本科研費を使用して購入、2つ目・3つ目に関しては独自に購入した。4つ目のデータは指導する大学院生が、新聞記事などの情報を基に手作業で取得・整理した。まず行ったのが、これらのデータを最も効果的に使う方法の模索である。予算の制約等により、当初の研究計画で取得する予定であったデータが取得できなかったり、4つのデータ間でカバーする期間が異なったりするなどの課題に直面した。その為、それぞれのデータの特徴を整理し、研究の方向性を決める作業に時間をかけた。次に、データの基礎的分析を行いながら、欠損値などの確認、データの整理を行った。特に個人属性に関するデータの整理に時間を要した。 これらの研究が最も進展したのは、年度末(2019年2~3月)にカリフォルニア州立大学フレズノ校に数日滞在し、本研究の共同研究者であるProf. David Veraと議論・研究を重ねた期間である。小職が上記4つのデータの整理・結合を行い今後の分析のベースになるデータベースを構築、Vera氏が個人属性データから個人ネットワーク指標を作成した。また、この滞在中に議論を重ね、今後の研究の方向性が決まった。 まだ具体的な研究成果は出ていないが、来年度以降の研究に向けての下準備を整えた1年間であった。 尚、これらに加えネットワーク分析や企業不正に関する文献・先行研究の調査も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
家庭の事情(身内に不幸が続いた為)により、当初計画より半年ほど遅れている。当初、訪米(カリフォルニア州立大学滞在)も夏に予定していたが、年度末にずれ込んでしまった。 申請額より交付額が少なかったため、予算内で何のデータを買うかという意思決定に時間を要したことも要因の1つである。
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今後の研究の推進方策 |
本年度(令和元年度)は、2つの初稿を完成させ、年度末もしくは次年度前半に国内外の学会にて学会報告することを目標とするにしている。 それに向けた課題としては、キーとなる「ネットワーク指標」がまだ完成していないことである。先行研究などを参考に様々な指標を作成、分析を試行錯誤してみたい。分析手法(計量経済学の手法)も先行研究に基づきいろいろと試す予定である。 夏に訪米予定なので、現地の研究者達とも意見交換を行いながら、議論を深めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度配分額が申請額より少なかったため、当初予定していたデータを科研費では購入することが出来なかった為、(他の予算を合わせた上で)代替できる安価なデータを購入した。その為、予算に余りが生じた。 当該余剰予算は、学会などの渡航費用に充てたいと考えている。
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