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2023 年度 実績報告書

日本におけるシンジケートローンの組成とメインバンク制との関わり

研究課題

研究課題/領域番号 18K12816
研究機関上智大学

研究代表者

南橋 尚明  上智大学, 経済学部, 教授 (60779982)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワードシンジケートローン / 情報の非対称性 / メインバンク
研究実績の概要

本研究の主な目的は、日本のシンジケートローン市場において、銀行団の初期の形成過程とその変化が企業にどう影響を与えるかについての論文です。以下の二つの観点を中心に研究を行いました。第一に、メインバンクを含む銀行団の構成がどのように変遷し、メインバンクがどのような役割を果たしたのかを分析しました。第二に、その変遷の変化が顧客企業の借入行動にどう影響を及ぼすかを研究しました。銀行団の形成過程を追跡し、メインバンクの役割の変化を研究するには、トムソンロイターのシンジケートローンデータと日経NeedsFQの借入企業の財務諸表データを使用しました。2023年度は主にDP向けの作業を行いました。
今回の研究の過程で明らかになった主な発見は次の通りです。第一に、過去にメインバンクとして貸出を行った銀行は、シンジケートローンの金利を減少させる傾向があることがわかりました。ただ、この傾向は一定ではなく、企業の特徴によって差があることがわかりました。第二に、シンジケートローンの組成により、理論に言われるような、新たな個別銀行との貸し出しが増加し、多くの銀行との取引の形成が観察されることがわかりました。その一方、このローンにより、過去のメインバンクとの関係が途切れることも示唆されました。これらの結果はコントロール群との比較対象で行われています。本研究の問題点としては、コミットメントライン・シンジケーションが始まることによって企業が財務諸表に銀行関連データを明記しないことが増えており、これによってサンプルバイアスついての問題も確認できました。
この研究の結果は、現在Working Paperとしてまとめられており、随時公表される予定です。この研究の成果は、シンジケートローン市場における銀行団形成と変遷に関する理解を深め、金融市場における企業の借入行動についてのあらたな考察を提供するものと期待されます。

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公開日: 2024-12-25  

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