研究課題/領域番号 |
18K12819
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
折原 正訓 筑波大学, システム情報系, 助教 (90738717)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 社外取締役 / 機関投資家 / 企業統治 / 日本企業 |
研究実績の概要 |
研究実施計画に従って本年度は2つの研究を進めた。 第1に、社外取締役と企業価値との関係についての分析を進めた。昨年度既に、2015年度に導入されたコーポレートガバナンスコードを契機とした社外取締役選任が企業価値にどう影響したかに関する分析を進めていた。本年度は、この分析の精緻化、拡張、および社会的・学術的意義の明確化を進めた。具体的には、海外で開催された複数のカンファレンス・シンポジウム・大学セミナーで共著者が報告を行った。そこで得られたコメントを踏まえて論文改訂を進めた。また、SSRNや日本政策投資銀行設備投資研究所のDBJ Discussion Paper Seriesとしてワーキングペーパーを公表した。広くコメントを募ることができ、研究成果の社会還元にもつながった。 第2に、機関投資家に関する分析を開始した。2014年に導入されたスチュワードシップコードは、機関投資家に議決権行使結果などへの説明責任を求めている。機関投資家側の行動変化を予見して、企業側も意思決定を変える可能性がある。ファイナンス・経済理論を踏まえ、様々な仮説を実証的に検討した。 社外取締役選任や機関投資家の議決権行使のあり方は、企業統治改革の一環として日本に限らず国際的に議論されている。本研究は幅広い社会的含意を持つと考えられる。また、本研究では日本企業の特殊性も踏まえて分析を行っている。本研究のこうした独自性に対して海外研究者からも好意的評価を得ている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
社外取締役研究については早い段階で論文としてまとめ、学会などで報告できた。 機関投資家研究については、理論仮説の精緻化の必要性が生じた。このため、論文完成に若干時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
社外取締役研究については学術誌への投稿を行う。 機関投資家研究についても論文として取りまとめ、研究報告などを通じて論文の精緻化を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
既に保有しているデータで分析を行ったため、データを購入せず次年度使用額が生じた。 今後、高額のデータを購入する計画である。
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