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2020 年度 実施状況報告書

企業統治と企業価値:準自然実験アプローチを用いた実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K12819
研究機関筑波大学

研究代表者

折原 正訓  筑波大学, システム情報系, 助教 (90738717)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード社外取締役 / 企業統治 / 日本企業 / コロナ禍 / COVID-19
研究実績の概要

本年度は主に2つの研究を実施した。
第1に、社外取締役と企業価値との関係についての実証分析を進めた。昨年度から継続的に取り組んでいる課題である。2015年度に導入されたコーポレートガバナンスコードを契機とした社外取締役選任と企業価値との因果関係について、過年度中に基本的な結果は得られていた。しかし、その背後のメカニズムの検証が不十分との指摘を受けた。分析結果が先行研究と異なることもあり、近年の企業金融理論を踏まえて多面的な検証を行う必要が生じた。分析の結果、社外取締役市場の需要と供給の両側面についての理論的基礎付けを踏まえ、これまでに得られていた実証結果を支持する追加的な実証結果を提示することができた。理論枠組みがこれまでの論文と異なることもあり、論文の大幅な改訂を行っている段階である。
第2に、コロナ禍を因果関係の識別に組み込んだ分析を開始した。上記の研究を実施する過程で、コロナ禍を踏まえた分析を行うことが本研究実施計画の趣旨にも適うと判断ししたためである。具体的には、コロナ禍前の段階でのコーポレートガバナンスコードの遵守の有無、および監査等委員会設置会社などの会社法上の企業統治構造の選択が、コロナ禍における企業価値の決定要因になっているかを分析した。分析の結果、これらの統治構造が手元流動性の有効活用を通じて企業価値に影響することが実証的に明らかになった。この研究について、SSRN上での論文公表によって社会還元を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

社外取締役研究については早い段階で論文としてまとめ、学会などで報告した。また、コロナ禍を経済ショックと捉えた研究の初稿も完成した。

今後の研究の推進方策

社外取締役研究について、学術誌への投稿を行う。昨年度実施していた機関投資家研究についても論文として取りまとめ、研究報告などを通じて論文の精緻化を行う。

次年度使用額が生じた理由

既に保有しているデータで分析を行ったため、一部データを購入せず次年度使用額が生じた。今後、高額のデータを購入する計画である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (1件)

  • [国際共同研究] Cardiff Business School(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      Cardiff Business School
  • [学会発表] Outside Directors and the Great Uncertainties due to COVID-192020

    • 著者名/発表者名
      折原 正訓
    • 学会等名
      一橋大学金融研究会

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公開日: 2021-12-27  

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